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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第29章 救出




***

翌日。

ヴィラン連合のアジト。

ユカリは目を覚ます。

昨夜はほとんど眠れなかった。

爆豪。

轟。

出久。

そして。

ミリオ。

環。

みんなの顔が何度も頭に浮かんでいた。

昨日のトガの話が本当なら。

探してくれている。

その事実だけで少しだけ安心した。

だが同時に不安もある。

危険な目に遭ってほしくない。

ヴィラン連合は甘くない。

死柄木も。

荼毘も。

黒霧も。 

みんな。

相手は本物の敵だ。

その時だった。

アジトの奥から騒がしい声が聞こえる。

「うわぁぁぁぁ!!」

誰かが叫んでいる。

「なんでここに穴が開いてんだ!?」

トゥワイスだった。

「だから言ったじゃん!」

続いてトガの声も聞こえる。

「侵入経路の再確認は必要だって!」

「いや言ってねぇ!」

「言ったよ!」

「言ってねぇ!」

騒がしい。

ユカリは思わず顔を上げる。

数分後。

死柄木が廊下を歩いていく。

機嫌が悪い。

かなり悪い。

首を掻いている回数が多い。

ユカリは扉の隙間からそれを見た。

何かあった。

間違いなく。

その日の昼。

食事を持ってきたコンプレスが珍しく疲れた顔をしていた。

仮面の上からでもわかるほど。

「何かあったの?」

ユカリが聞く。

コンプレスは少し黙る。

本来なら話すべきではない。

だが。

「……侵入されちゃってねぇ」

ぽつりと言った。

ユカリの目が見開く。

「え?」

「ま、正確には未遂なんだが」

コンプレスは苦笑した。

「廃工場の一つが見つかった」

ユカリの心臓が大きく跳ねる。

「……誰に」

「予想はつくだろう?」

コンプレスは肩を竦めた。

「通形くん」

「天喰くん」

「爆豪くん」 

「轟くん」

「緑谷くん」

ユカリは息を呑んだ。

本当に動いている。

それも想像以上に。

コンプレスは続けた。

「危うく情報を掴まれるところだった」

「それで今朝方、急いで拠点を整理したんだ」

だからアジトが騒がしかった。

ユカリはゆっくりと俯く。

安心。

嬉しさ。

心配。

全部が混ざる。


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