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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第28章 焦燥




轟も環の方を見る。

環もまた酷かった。

顔色が悪い。

視線はどこか遠くに向いている。

ユカリがいない。

それだけでここまで人は変わるのかと思うほどだった。

沈黙が落ちる。

誰も何を言えばいいのか分からない。

だが。

ここへ来た理由は一つだ。 

爆豪が口を開いた。

「助けに行くぞ」

真っ直ぐだった。

遠回しな言い方もしない。

ミリオの目が僅かに動く。

環も顔を上げた。

「……え、何?」

ミリオが聞く。

爆豪は続ける。

「今のまま待ってても見つからねぇ」

低い声が部屋に響く。

「警察もヒーローも動いてる。だが俺らも動く」

出久が頷く。

轟も。

三人とも覚悟を決めていた。

「俺らだけじゃ足りねぇ」

爆豪は言う。

「だから来た」

ミリオの目を見る。

環の目を見る。

そして。

「力貸せ」

短い言葉だった。

だが、その瞬間。

部屋の空気が確かに変わった。

環の瞳が揺れる。

ミリオも固まる。

ユカリを助ける。 

その言葉を待っていたかのように。 

長い沈黙が流れた。

窓の外では夕日が沈み始めている。

オレンジ色の光が部屋を照らす。

その中で。

ミリオはゆっくり立ち上がった。

震えるほど強く拳を握りながら。

「行く」

即答だった。

迷いなど一秒もない。

「ユカリを助ける」

その声は掠れていたが、確かに力があった。

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