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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第28章 焦燥




轟も僅かに目を伏せる。

その気持ちは分かる。

いや。

分かりすぎるほど分かる。

ユカリの姿が頭から離れない。

今もどこかで一人かもしれない。

そう考えるだけで胸が苦しくなる。

だが。

「馬鹿か」

ソファに座る爆豪が口を開いた。

低い声だった。

「かっちゃん?」

爆豪は腕を組んだまま窓の外を見ていた。

怒っているわけじゃない。

むしろ妙に冷静だった。

「んなこと、昨日から考えてる」

「俺ァ昨日から一秒も納得してねぇ」

その拳は強く握られている。

「助けに行くのは当然だ」

その言葉に出久の表情が変わる。

轟も顔を上げた。

「じゃあ……!」

「だが」

爆豪が遮る。

赤い瞳が二人を睨む。

「相手はヴィラン連合だぞ」

空気が静まる。

その事実を誰も否定できない。

「俺ら三人で突っ込んでどうなる」

出久が言葉を失う。

爆豪は続けた。

「戦力が足りねぇ」

「………」

「経験も足りねぇ」

轟も押し黙る。

悔しいがその通りだった。

林間合宿で思い知った。

プロヒーローと自分たちの差を。

ヴィラン連合の危険性を。

感情だけで勝てる相手じゃない。

「行くなら勝算がいる」

爆豪の声は冷静だった。

いつもの短気な爆豪ではない。

ユカリが関わっているからこそ。

絶対に失敗できないのだ。

「だったらどうするんだ」

轟が聞いた。

爆豪は少しだけ目を細める。

そして言った。

「あいつらを連れてく」

出久が首を傾げる。

「あいつら?」

爆豪は即答した。

「通形と天喰だ」

その瞬間、空気が変わった。

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