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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第28章 焦燥




***

夜が明け始めていた。

東の空がわずかに白み始めている。

だが相澤にとって、朝が来たという実感はなかった。

一睡もしていない。

それでも次にやるべきことがある。

教師として。

そして今回の件の責任者の一人として。 

ユカリの元担任として。

どうしても避けて通れないことだった。

ユカリの両親へ伝える。

その事実を。

相澤は車を降りた。

住宅街はまだ静かだった。

通勤の時間には早い。

鳥の鳴き声だけが聞こえる。

目の前には見慣れた家があった。

進路面談。

三者面談。

保護者会。

何度か訪れたことがある。

だからこそ足が重かった。

インターホンを押す。

数秒後。

扉が開いた。

出てきたのはユカリの母親だった。

まだ部屋着のまま。

だが相澤の姿を見た瞬間、表情が変わる。

朝早すぎる。

しかも教師が一人で来る。

良い知らせであるはずがない。 

「相澤先生……?」

相澤は少しだけ視線を伏せた。

「お時間いただけますか」

その一言だけで十分だった。

母親の顔から血の気が引く。

リビングには重い空気が流れていた。

ユカリの父親も席についている。

二人とも何も言わない。

言えない。

相澤もすぐには口を開けなかった。

どんな言葉を選んでも。

傷つけることになる。

それが分かっていたからだ。

しかし。

伝えなければならない。  

「昨日の林間合宿で」

相澤が静かに話し始める。

「ヴィラン連合による襲撃がありました」

母親の肩が震えた。 

父親の拳が握られる。

相澤は続ける。

「教師陣とプロヒーローが対応しましたが……」

そこで一度言葉が止まった。

喉が重い。 

だが、逃げるわけにはいかない。

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