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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第28章 焦燥




「ヴィラン連合が個人をここまで明確に狙う理由は?」

エッジショットが尋ねる。

「現在調査中です」

警察官が答える。

「ユカリ生徒の個性、経歴、人間関係も再調査していますが、現時点では有力な情報はありません」

相澤は資料へ視線を落とした。

そこにはユカリの経歴が並んでいる。

1年の頃から見てきた。

優秀な生徒だ。

責任感が強い。

面倒見もいい。

教師からの信頼も厚い。

後輩からも慕われている。

だからこそ今回も警護役を任せた。

それが間違いだったとは思わない。

ユカリ以上に適任はいなかった。

だが。

結果として守れなかった。

教師として。

元担任だった人間として。

それが何より悔しかった。

「……………」

会議室の窓が風で小さく鳴る。

誰も喋らない。

重苦しい沈黙。

その中で根津校長が口を開いた。

「生存の可能性は」

警察官は即答した。

「高いと考えています」

全員が顔を上げる。

「敵は殺害ではなく拉致を目的としていました」

資料が切り替わる。

「ユカリ生徒を確保後、即座に転移」

「その後の攻撃は確認されていません」

つまり。

連れ去ること自体が目的。

少なくとも現時点では生きている可能性が高い。

わずかな希望だった。

だが。

今はそれだけで十分だった。

「捜索を続けます」

警察官が言う。

「全国のヒーロー事務所にも協力を要請済みです」

「ヴィラン連合関連施設も再調査しています」

「情報が入り次第共有を」

こうして、夜明け前の会議はしばらく続いた。




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