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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第27章 ヴィラン連合




「トガがいて」

「トゥワイスがいて」

「コンプレスがいて」

「荼毘がいて」

「黒霧がいて」

「スピナーがいて」

静かに名前を並べる。

まるで。

家族の名前を数えるみたいに。

「そしたら」

「全部壊すだけじゃ駄目だと思った」

ユカリは目を見開く。

死柄木は立ち上がって窓のない壁を見る。

「だから作りたい」

その声は低かった。

「俺たちみたいな奴が居られる場所を」

ユカリは言葉を失う。

ヴィラン。

犯罪者。

敵。

その認識は変わらない。

でも。

目の前の男が語るものは単純な悪意だけではなかった。

「ユカリ」

突然名前を呼ばれる。

死柄木が振り返る。

「お前、トゥワイスの話聞いただろ」

「……うん」

「トガの話も」

「……聞いた」

死柄木は首を掻く。

そして。

真っすぐユカリを見据えた。

「どう思った」

その問いに。

ユカリはすぐ答えられなかった。

長い沈黙。

やがて。


「……苦しかったんだと思う」


死柄木の目がわずかに動く。

「辛かったんだと思う」

「寂しかったんだと思う」

ユカリは続ける。

そして。

自分のもしもを想像する。

「……もし」

「私が今の私の人生じゃなくて」

「あなたたちみたいに不当な扱いを受けて」

嘘偽りのない本音を、ただ。

伝えたいと思った。

「ずっと孤独だったら」

死柄木の赤い瞳がわずかに揺れた。


「ヴィラン連合に入っていた人生もあったのかもしれないって思う」


静寂。

死柄木はただユカリを見ている。

まるで今の言葉の意味を確かめるみたいに。

しばらくして。

死柄木は視線を落とした。

床を見つめる。

その顔は前髪で隠れている。

「……は……」

小さく笑った。

嘲笑ではなく、乾いた笑いだ。

「なんだそれ」

そう言いながらも、その声には力がなかった。

否定できないからだ。

ユカリは自分たちを肯定したわけではない。

ヴィランになると言ったわけでもない。

ただ。

自分たちと同じ場所に立つ可能性があったと言った。

それは死柄木にとって予想外だった。

今まで誰もそんなことを言わなかった。

誰も自分たちと同じ高さから見ようとしなかった。


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