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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第27章 ヴィラン連合





だが。

目の前の彼女はどこか寂しそうだった。

「でもね、気持ち悪いって言われた」

トガは笑う。

「変だって言われた」

「普通じゃないって」

笑っているのに。

全然楽しそうじゃなくて。

「だから我慢した」

「いっぱい我慢した」

「そしたら壊れちゃった」

ずっと心が泣いてるように見えた。

「…………」

ユカリは何も言えなかった。

正しい言葉が見つからないのだ。

「ま、暗い話は終わり!」

トガは立ち上がる。

いつもの笑顔で。

「食べなよ!」

そう言って部屋を出ていった。

一人になるユカリ。

だが、その胸の奥はひどく重かった。

ヒーローとして。

犯罪は止めなければならない。

人を傷付けることは間違っている。

その考えは変わらない。

けれど。

彼女たちがなぜこうなったのか。

それを知ってしまう。

すると。

世界は少しだけ複雑になる。


***


その日の夕方。

ユカリは部屋の外へ出ることを許された。

もちろん監視付きだ。

黒霧が後ろについている。

アジトの廊下を歩く。

思ったより広い。

古い建物を改装したような場所だった。

その途中。

ユカリはある部屋の前で足を止めた。

扉が少し開いている。

中から聞こえる声。

死柄木だった。

「……失敗だった」

低い声。

誰かと話している。

ユカリは思わず耳を傾ける。

「俺がもっと早く気付いてれば」

死柄木が後悔しているような声だった。


「仲間を失わずに済んだ」


ユカリの目が見開く。

仲間。

死柄木が仲間の話をしている。

「だから」

声が続く。

「次は失わない」

その一言だけは異様なほど強かった。

ユカリは息を呑む。

その瞬間。

扉の向こうで、死柄木がこちらを見た。

「…………」

目が合う。

数秒の沈黙。

そして死柄木は言った。

「入れよ」 

逃げる暇もなかった。

ユカリはその部屋へ足を踏み入れる。


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