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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第27章 ヴィラン連合




「俺な」

やがて、トゥワイスがぽつりと言った。

「昔は普通だったんだ」

ユカリが顔を上げる。

「普通に働いて」

「普通に生きて」

「普通に暮らしてた」

どこか遠くを見る目。

「でも失敗した」

乾いた笑いだった。

「事故を起こした」

「仕事を失った」

「友達も消えた」

「誰もいなくなった」

ユカリは静かに聞いていた。

「それで個性を使った」

「自分を増やした」

「仲間が欲しかったから」

トゥワイスの指が震える。

「でも」

声が掠れた。

「誰が本物かわからなくなった」

静かな部屋。

ヒーロー社会の教科書には載らない。

だが調査資料には存在する話。

トゥワイスは自分の複製を作り続けた結果。

複製同士で争い。

互いを本物だと言い張り。

最後には全員が壊れた。

そして自分自身ですら。

本物かどうかわからなくなった。

「怖かった」

トゥワイスが言う。

「本当に」

「毎日」

「ずっと」

ユカリは胸が少し痛くなった。

彼は笑っている。

けれど。

その笑顔の奥にあるものが見えてしまう。

孤独。

絶望。

誰にも理解されない苦しさ。

「……それでヴィランになったの?」

ユカリが聞くと、トゥワイスは首を振った。

「違う」

少しだけ。

本当に少しだけ。

優しい顔になった。

「ヴィラン連合に拾われた」

「死柄木がいた」

「トガちゃんがいた」

「みんながいた」

「だからここにいる」

ユカリは黙って聞いている。

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