第27章 ヴィラン連合
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翌日。
アジトの中は不思議なほど静かだった。
ユカリはベッドの端に座り、ぼんやりとコンクリートの壁を見つめていた。
死柄木の言葉が頭から離れない。
『俺たちを見ろ』
普通なら理解できない。
誘拐した相手に言う言葉じゃない。
仲間になれと言うならまだわかる。
脅すならわかる。
利用するならわかる。
でも。
「見ろ」という言葉だけは妙に引っかかった。
まるで。
何かを知ってほしいような。
そんな響きだった。
コンコン。
扉が鳴る。
ユカリが顔を上げる。
昨日のコンプレスだろうか。
そう思ったが違った。
入ってきたのは、ボサボサの金髪の男だった。
「お、お邪魔します……?」
妙に弱気な声。
ユカリは警戒する。
男も警戒している。
お互い警戒している。
なんとも奇妙な空間だった。
「……誰?」
「トゥワイス」
即答する。
だが。
「いや違うな」
男は頭を抱える。
「本名言った方がいいのか?」
「いや待て知らねぇだろ」
一人で会話している。
ユカリはその光景を見て、瞬きを繰り返した。
「あの、すまん」
トゥワイスは咳払いした。
「飯持ってきた」
トレーを机に置く。
「……ありがとう」
「礼を言うな!」
「いや言え!」
再び一人で揉めている。
ユカリは思わず少しだけ笑ってしまった。
その瞬間。
トゥワイスの動きが止まった。
「笑った」
ぽつり。
「お前、思ったより普通なんだな」
ユカリは首を傾げる。
「どういう意味?」
トゥワイスは椅子に座った。
「いや……」
「ヒーローってもっと」
「俺たちのこと怪物みたいに見ると思ってた」
その声は少し小さかった。
ユカリは答えない。
トゥワイスもすぐには話さなかった。
しばらく沈黙が続く。