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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第27章 ヴィラン連合




死柄木はしばらくユカリを見ていたが、やがて踵を返した。

「黒霧」

「はい」

「部屋からは出すな」

「承知しました」

扉が閉まる。

重い金属音。

そして再び静寂が訪れる。

部屋にはトガヒミコだけが残っていた。

ベッドの横にしゃがみ込み、ユカリをじっと見ている。

近い。

とにかく近い。

「……何?」

ユカリが言う。

「気になるの」

トガは素直に答えた。

「なんでそんな顔してるのかなって。帰れるって信じてる顔」

ユカリは答えなかった。

トガは頬杖をつく。

「普通さぁ」

「もっと泣くよ?」

「もっと怒るよ?」

「もっと絶望すると思うんだよね」

それは本音だった。

今まで見てきた人間はそうだった。

捕まれば怯える。

追い詰められれば折れる。

恐怖に支配される。

だが。

目の前の少女は違う。

怖くないわけじゃない。

それはわかる。

手は少し震えている。

肩だって強張っている。

それでも、折れていない。

ユカリは少しだけ窓のない壁を見つめた。

帰れる根拠なんてない。

でも。

帰れると思っていた。

「……みんながいるから」

小さな声。

トガが不思議そうに首を傾げる。

「みんな?」

「うん」

ユカリは少しだけ笑う。

「絶対探してくれる」

その言葉に。

トガの笑顔がほんの少しだけ消えた。

ユカリは気付かなかった。

トガヒミコという少女もまた。

昔。

誰かにそう思いたかったことを。

一瞬だけ。 

本当に一瞬だけ。

トガの目が揺れる。

だが。

すぐにいつもの笑顔に戻った。

「変なの〜」

そして立ち上がる。  

「でも好きだよ、そういうの」

手をゆらゆらと振りながら扉へ向かう。 

「じゃあね!」

扉が閉まる。

ようやく一人になって、ユカリは深く息を吐いた。

静かに部屋を見回す。

コンクリート。

鉄製の扉。

換気口。

ベッド。

机。

椅子。

最低限。

監禁部屋だ。

だが。

完全な牢屋ではない。

観察されている。

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