第26章 林間合宿
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西側森林区域。
木々は折れ、地面は抉れ、戦闘の跡が至る所に刻まれていた。
「……っ、は……」
ユカリは荒い呼吸を繰り返す。
肩で息をするたび肺が焼けるように痛い。
腕には傷。
制服もあちこち裂けている。
それでも立っていた。
倒れていない。
それだけだった。
対するヴィラン連合はまだ余力を残している。
それが現実だった。
「すごいねぇ、つよいねぇ」
トガヒミコが楽しそうに笑う。
「ユカリちゃん、もっと早く捕まると思ったのに全然捕まらないんだもん」
コンプレスも手を叩いて称賛する。
「お見事お見事。さすがは雄英3年ヒーロー科」
ユカリは答えない。
答える余裕もないのだ。
でも、視線だけは死なせない。
相手を見る。
逃げ道を探す。
わずかな可能性を探す。
だが。
見つからない。
勝ち筋が。
本当に。
どこにもないのだ。
死柄木はその様子を静かに見ていた。
「だから言っただろ」
首を掻く。
「無理なんだよ」
ユカリは睨み返す。
死柄木は続ける。
「お前の個性」
「戦い方」
「癖」
「判断基準」
「全部調べた」
その言葉にユカリは歯を食いしばる。
「お前は自分より他人を優先する」
死柄木は言う。
「傷付いてる奴を見捨てられない」
「だから誘導できた」
ユカリの拳が震える。
反論できなかった。
事実だから。
「でもさ」
死柄木が少し首を傾ける。
「なんでそこまでやる?」
「………」
「誰かを助けて」
「自分が傷付いて」
「それで何になる?」
静かな問いだった。
挑発ではない。
純粋な疑問にも聞こえた。