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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第26章 林間合宿




***

西側森林区域。

木々は折れ、地面は抉れ、戦闘の跡が至る所に刻まれていた。

「……っ、は……」

ユカリは荒い呼吸を繰り返す。

肩で息をするたび肺が焼けるように痛い。

腕には傷。

制服もあちこち裂けている。

それでも立っていた。

倒れていない。

それだけだった。

対するヴィラン連合はまだ余力を残している。

それが現実だった。

「すごいねぇ、つよいねぇ」

トガヒミコが楽しそうに笑う。

「ユカリちゃん、もっと早く捕まると思ったのに全然捕まらないんだもん」

コンプレスも手を叩いて称賛する。

「お見事お見事。さすがは雄英3年ヒーロー科」

ユカリは答えない。

答える余裕もないのだ。

でも、視線だけは死なせない。

相手を見る。 

逃げ道を探す。

わずかな可能性を探す。

だが。

見つからない。

勝ち筋が。

本当に。

どこにもないのだ。

死柄木はその様子を静かに見ていた。

「だから言っただろ」

首を掻く。

「無理なんだよ」

ユカリは睨み返す。

死柄木は続ける。

「お前の個性」

「戦い方」

「癖」

「判断基準」

「全部調べた」

その言葉にユカリは歯を食いしばる。

「お前は自分より他人を優先する」

死柄木は言う。

「傷付いてる奴を見捨てられない」

「だから誘導できた」

ユカリの拳が震える。

反論できなかった。

事実だから。 

「でもさ」

死柄木が少し首を傾ける。

「なんでそこまでやる?」

「………」

「誰かを助けて」

「自分が傷付いて」

「それで何になる?」

静かな問いだった。 

挑発ではない。

純粋な疑問にも聞こえた。


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