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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第26章 林間合宿




ミリオの声が真面目になる。

『どんな感じ?』

『近い気がする』

『近い?』 

ねじれも聞く。

『うん』

ユカリは森の奥を見る。

『何かが近付いてる気がする』

環が短く返す。

『俺も少し感じる』 

その一言で空気が変わった。

環は普段こういうことを言わない。

勘や雰囲気では動かない。

だからこそ重い。

ミリオの声も低くなる。

『教師陣には?』

『さっき相澤先生に報告した』

『先生なんて?』

『警戒は続けろって』

当然の返答だった。

そして相澤も。

きっと同じものを感じている。

だからこそ教師たちは今日ずっと気を張っている。

その時、風が吹いた。

ざわり。

木々が揺れる。

ユカリは無意識に顔を上げる。

何か。

ほんの一瞬。

聞こえた気がした。

音。

足音?

いや違う。

もっと微かなもの。

森が息を潜めたような感覚。

『―――ユカリ?』

環の声。

『……今』

『何かあった?』

ユカリは周囲を見る。

暗闇。

木々。

静寂。

何もない。

それなのに。

胸の奥だけが強く警鐘を鳴らしている。

『みんな』

ユカリの声が少し低くなる。

『警戒レベル上げて』

ミリオも即座に理解した。

『了解』

『了解〜!』

『了解』

三人の返答。

その瞬間だった。

遠くの山奥。

誰にも聞こえないほど小さな場所で。

黒い霧が静かに開いた。

そして。

複数の人影が森へ足を踏み入れる。

音もなく。

気配もなく。

まるで最初からそこにいたかのように。

肝試しを楽しむ一年生たちはまだ知らない。

笑い声のすぐ外側で。

今まさに。

林間合宿が地獄へ変わろうとしていることを。




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