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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第26章 林間合宿




***

夜の山。

昼間とはまるで別世界だった。

木々の隙間から差し込む月明かり。

風に揺れる葉の音。

どこからともなく聞こえる虫の声。

そして。

時折響く一年生たちの悲鳴。

「うわああああっ!!」

「ちょ、待って!!置いてかないでぇぇぇ!!」

「峰田うるさい!!」

遠くから聞こえてくる声に、思わずユカリは笑った。

肝試しコースから少し離れた高所。

ユカリは周囲を見渡しながらインカムを押す。

『今の絶対峰田くんだよね』

『百パーセント峰田だと思う』

別の場所でB組を警護中の環も即答する。

『間違いないね〜!』

ねじれも笑っている。

『いや〜肝試し懐かしいね!環が怖くて足すくんでユカリが引き摺ってゴールしたやつ!!』

突然ミリオが爆弾を投下して、インカムが一瞬静かになる。

数秒後。

『……ミリオ』

環の声がやたらと低い。

『なに?』 

『その話はしない約束だった』 

『してないよ!?』

『俺の中でしてた』

ユカリが吹き出した。

『あったね、そんなこと』

『……あの頃のユカリ、今より容赦なかった』

『環が怖がりすぎだったの』

『違う』

環が即反論する。

『あれは暗かったから』

『肝試しだからね』

『……静かだった』

『肝試しだからね』

『なんか出そうだった』

『肝試しだからね』

『……だから仕方なかった』

『ははは!言い訳が苦しいな〜!』

ユカリと環の会話を聞いていたミリオが笑う。

インカム越しにねじれの楽しそうな笑い声も聞こえた。

一見するといつも通りだった。

和やかな会話。

軽口。

笑い声。

だが。

全員が警戒は解いていない。

ユカリは視線を森へ向ける。

静かだ。

静かすぎる。

『ユカリ?』

ミリオの声。 

『うん?』

『どうした?』

少しの沈黙。

ユカリは目を細めた。

『……まだ違和感が消えなくて』

インカムの向こうが静かになる。

それを聞いた三人は冗談をやめた。



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