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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第26章 林間合宿




***


林間合宿施設から数キロ離れた山中。

人の気配のない廃棄された山小屋。

その中には異様な空気が漂っていた。

ランタンの薄暗い光。

壁に貼られた地図。

雄英の合宿施設周辺を示す簡易図面。

そして、その前に立つ男。

死柄木弔。

指先で首を掻きながら地図を見つめている。

部屋の中にはヴィラン連合の面々が集まっていた。

黒霧。 

荼毘。

トガヒミコ。

Mr.コンプレス。

そして他の構成員たち。

誰も軽口を叩かない。

今夜が実行日だからだ。

静寂を破ったのは死柄木だった。

「雄英は馬鹿じゃない」

かすれた声。

「当然警戒してる」

誰も反論しない。

事実だった。

以前、襲ったことがあるUSJ以降。

雄英は前とは違う。

教師の数も増えた。

警備も強化された。

生徒たちの戦力も上がっている。

正面から突っ込めばどうなるか。

結果は見えている。

死柄木は続けた。

「だから正面からはやらない」

荼毘が煙を吐く。

「当然だな」

死柄木は地図を指差す。

「人間は危機が起きた時、優先順位を作る」

誰もが自然にそうする。

火災が起きたら火を消す。

怪我人が出たら救助する。 

敵が現れたら迎撃する。

限られた戦力を最も危険な場所へ送る。

ヒーローも同じ。

むしろヒーローだからこそそうなる。

「奇襲を起こす」

死柄木の指が地図を滑る。

「複数箇所で」

黒霧が静かに補足する。

「意図的に戦線を拡散させるということですね」

「そうだ」

死柄木は頷く。

「教師は必ず強い敵を優先する」

それは合理的判断だ。

プロヒーローは限られている。

ならば危険度の高い場所へ送られる。

例えば、荼毘。

例えば、コンプレス。

例えば、上位戦闘員。

彼らが暴れれば教師はそちらへ向かう。

オールマイトも。

相澤も。

プロヒーローたちも。

そうなると何が起きるか。 

死柄木は笑った。

「穴ができる」

その言葉にトガが楽しそうに首を傾げる。

「その穴から連れてくるの?」

「そう」

単純な話だった。

戦争をするつもりはない。

勝つ必要もない。

目的は一つ。

ユカリ。

それだけ。




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