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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第26章 林間合宿




***

その日の夕方。

訓練を終えたユカリは一人で施設の外縁を歩いていた。

森を見る。

風が吹く。

葉が揺れる。

何もない。

本当に何もない。

それなのに。

胸がざわつく。

「……なんなんだろう」

ユカリは目を閉じた。

昔からだった。

理屈じゃない。

説明もできない。

けれど。

何かがおかしい時だけは妙にわかる。

何かが引っかかる。

そして今回も。

その感覚は消えない。 

むしろ強くなっていた。

夕暮れの森。

長く伸びる木々の影。

静かすぎるほど静かな空気。

ユカリは思う。

もしヴィランが来るなら。

もし何かが起きるなら。

それは正面からの襲撃じゃない気がする。

もっと明確な目的がある。

そんな気がしてならなかった。



遠くで夕食を知らせるベルが鳴る。

楽しそうな生徒たちの声が聞こえる。

平和な合宿。

順調な訓練。

笑い声。

談笑。

何も問題はない。

なのにユカリだけが。

嵐の前の静けさみたいなものを感じ続けていた。


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