第25章 夏祭りボランティア
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神社の裏手。
さっきまで暴走していた空気は嘘みたいに静かになっていた。
男の子は泣き疲れた顔のまま、母親にしがみついている。
「もう大丈夫よ。怖かったね」
母親の声が何度も繰り返される。
その光景を見て、ユカリは小さく息を吐いた。
「よかった……」
そう呟いて、少し離れた場所から手を振る。
「ばいばい」
男の子が涙を拭きながら手を振り返す。
「おねえちゃん、ありがとう……!」
その声を最後に。
母子は人混みの向こうへ消えていった。
静寂。
そして。
夜空に――
ドンッ!
花火が上がった。
一発。
また一発。
暗い空を、色とりどりの光が切り裂いていく。
「今年も終わったねぇ」
夏を惜しむようにミリオがぽつりと言う。
「……ああ」
環も小さく頷いた。
ねじれは嬉しそうに空を見上げている。
「きれい〜!」
その横で。
「よ、よかったぁ……」
出久はようやく力が抜けてその場に座り込みそうになっていた。
轟はただ静かに花火を見上げていた。
その視線の先には、隣に立つユカリの横顔。
花火の光が頬を照らしている。
夜空の色が移り変わるたびに、その表情も淡く変わる。
―――綺麗だった。