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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第25章 夏祭りボランティア





「お母さん、いなくなっちゃって」

「どこにいるかわからなくて」

「いっぱい探したんだよね」


涙が止まらない。


「誰も信じられなくなっちゃったんだよね」


男の子は小さく頷いた。

その瞬間。

周囲を包んでいた光が少し弱まる。

浮いていた石が落ちる。

風が静まる。

ユカリは優しく微笑んだ。


「お母さんはね」


涙を流す男の子を見ながら言う。


「もうすぐ迎えに来るからね」


男の子の瞳が揺れる。

ユカリはゆっくりと。

本当にゆっくりと。

両手を広げた。 

そして。

いつも誰かを励ます時と同じ笑顔で言った。



「よく一人で頑張ったね」



男の子の顔が歪む。



「えらいね」



その一言だった。

男の子が本当に欲しかった言葉は。

頑張ったことを認めてくれる誰か。

怖かったねと言ってくれる誰か。

助けるじゃなく。

わかってくれる誰か。


「うあぁぁぁぁぁん!!」


堰を切ったように泣き出した。

大声で。

子供らしく。

我慢していた全部を吐き出すように。

そして男の子は走った。

ユカリの胸へ飛び込む。

勢いよく。

迷いなく。

ユカリはその小さな身体を抱きしめた。

「うん」

背中を撫でる。

「うん」

何度も。

何度も。

優しく。

男の子は泣き続ける。

ユカリの服を握りしめながら。

その瞬間。

暴走していた光は消えた。

稲妻も。

爆発も。

浮遊現象も。

すべて静かに。

嘘のように消えていった。

林の中に残ったのは。

安心して泣く一人の男の子と。

その背中を優しく撫で続けるユカリの姿だけだった。

誰もすぐには声を出せなかった。

爆豪も。

轟も。

出久も。

ミリオも。

環も。

ただその光景を見ていた。



そして。

少し離れた祭り本部で。

通信越しにその報告を聞いていた相澤は、静かに目を閉じた。

「ほらな」

誰に言うでもなく。

そう呟いた。



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