• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第25章 夏祭りボランティア




インカムから状況が流れていく。

『対象発見』

『保護未完了』 

『個性暴走レベル上昇中』

『接触困難』

その報告は会場本部にも届いていた。

祭り本部。

仮設指揮所。

オールマイトが立ち上がる。

「私が行こう」

その声には焦りがあった。

五歳の子供だ。

暴走は拡大している。

最悪の事態になる前に。

しかし。

相澤は静かだった。

「大丈夫ですよ」

オールマイトが振り返る。

「相澤くん?」

相澤は神社方面を見つめていた。

「もうすぐ着きます」

短く。

確信を持って。

そう言った。

オールマイトは目を細める。

そして理解した。

誰のことを言っているのか。


その頃。

神社の長い石階段。

ユカリは全力で駆け上がっていた。

息が上がる。

足も重い。

だが止まらない。

インカムから聞こえる。

男の子の泣き声。

出久たちの声。

爆発音。

誰かの指示。

全部聞こえている。

そして。

最後の段を飛び越える。

視界が開けた。

広場。

暴走する光。

泣きじゃくる小さな背中。

それを取り囲むヒーロー候補生たち。

そして。

誰も近付けない空間。

ユカリは立ち止まる。

息を整える暇もなくその光景を見た。

男の子は。

ただ泣いていた。

怖くて。

寂しくて。

助けてほしくて。

でも。

助けに来た人たちさえ怖く見えてしまうほどに。

ユカリはその姿から目を離さなかった。

周囲も気付く。

「ユカリ先輩……」

出久が振り返る。

轟も。

爆豪も。

ミリオも。

環も。

みんなが見た。

ようやく現場へ辿り着いたユカリを。

そして。

暴走の中心で泣き続ける小さな男の子を。
 


/ 571ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp