• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第25章 夏祭りボランティア




夜空に残る光の尾が、ゆっくりと消えていく。

祭りの喧騒も、どこか落ち着かないものへと変わり始めていた。

ユカリは空を見上げながら再びインカムを押す。

「……聞いて」

全員の通信が静かになる。

「次の放送の後、また発光が起きる」

冷静な声だった。

「でも、見てて気付いた」

ユカリは続ける。

「あの光、いきなり上がってるんじゃない」

周囲の生徒たちが耳を傾ける。

「花火みたいに発光する直前、必ず前触れがある」

出久が息を呑む。

『前触れ……?』

「うん」

ユカリは夜空を指差した。

「発光する数秒前、その場所の上空だけ空気が光る」

「ほんの一瞬だけ」

「たぶん個性が発動する準備段階」

なるほど、と轟がインカムの向こうで小さく呟く。

離れた場所で聞いていた爆豪も黙って耳を傾けていた。

ユカリは指示を出す。

「飛行能力がある人たちは空へ」

「前触れを見つけたらすぐ共有して」

「正確な場所じゃなくていい」

「大まかな位置だけでもわかれば絞り込める」

『了解!』

ねじれが真っ先に返事をする。

『行ってくるね!』

翼を持つ者。

飛行系個性の生徒。

空中機動が可能な者たちが次々と上昇していく。

夜空へ。

提灯の灯りより高く。

祭り会場全体を見渡せる位置へ。 

そして数分後。

会場放送が再び流れた。

『迷子のお知らせです――』

ユカリは拳を握る。

全員が空を見上げる。

来る。

三秒。

四秒。 

五秒。

その時だった。

夜空の一角。

神社の裏手方向。

ほんの一瞬だけ。

淡い光が揺らめいた。

まるで空気が発光したような。

ユカリの言った前触れ。

そして。

その光のすぐ近くを飛んでいた人物が目を見開いた。


/ 571ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp