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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第25章 夏祭りボランティア




ユカリはインカムを押す。

「みんな聞いて」

すぐに応答が返る。

『ユカリ先輩?』

出久だ。

「迷子放送が流れるたびに個性が強くなってる」

一瞬、通信が静かになる。

ユカリは続けた。

「たぶんあの子、自分のことだって気付いてる」

『………!』

出久も理解した。

五歳の子どもだ。

知らない場所。

知らない人だらけ。

親はいない。

その上、会場中に。

自分を探す放送が流れている。

怖くないわけがない。

「放送を聞くたびに不安になってるはず」

ユカリは言う。 

「だから個性が強くなってる」

インカムの向こうでミリオが息を呑む。

『悪循環になってるんだね……』

その通りだった。

探すための放送が、逆に迷子を追い詰めている。

しかし。

今さら放送を止めたところで問題は解決しない。

なぜなら。

個性の暴走はもう少しずつ広がり始めているからだ。

空中に浮かぶ風船。

勝手に揺れる提灯。

時折走る閃光。

人々も異変に気付き始めていた。

「何か起きてるの?」

「個性事故?」

「大丈夫なのか?」

ざわめきが広がる。

もし群衆がパニックになれば。

今度はその恐怖が迷子の耳にも届く。

そしてさらに個性が暴走する。

最悪の連鎖だ。

ユカリは空を見上げた。

祭りの灯りの向こう。

どこかにいるはずの男の子。

きっと今も。

泣くのを必死に我慢している。

見つけなければ。

早く。

今すぐに。

そう思ったその時――

遠くの空で。

今までで一番大きな光が弾けた。

夜空が一瞬だけ昼のように明るく染まる。

そして。

会場全体がどよめいた。

事態は確実に悪化していた。


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