第25章 夏祭りボランティア
ねじれが空を見上げた。
「私は上から探すね!」
飛行能力を活かすつもりだ。
「人混みの流れも見えるし!」
ユカリもすぐに行動に移る。
「私は川沿いを見てくる」
「じゃあ俺は商店街側だね!」
ミリオがそう言って、環にも声をかける。
「環は中央広場お願い!」
「わかった」
それぞれが動こうとしたその時、別のインカムから声が飛び込んできた。
『こちら1年A組!』
出久だった。
『北側屋台エリアで小規模な発光を確認しました!』
全員の動きが止まる。
『青白い光です!』
『対象の可能性があります!』
ユカリたちは顔を見合わせた。
いた。
少なくとも手掛かりは見つかった。
しかし。
次の瞬間。
遠くの空が一瞬だけ光る。
パッ――
まるで小さな花火。
そして。
「きゃっ!?」
「何だ!?」
祭り客たちのざわめき。
かなり離れているのに見えた。
ということは。
個性が少しずつ暴走し始めている。
ユカリはすぐ走り出した。
「行こう!早く見つけないと!」
ミリオも笑顔のまま頷く。
「うん!」
ねじれも。環も。
それぞれの方向から現場へ向かう。
祭りを守るために。
そして何より。
今、不安で泣きそうになっている五歳の男の子を安心させるために。