第25章 夏祭りボランティア
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祭りの賑わいの中。
A組と別れたユカリたちが巡回を続けていたその時だった。
全員の耳につけられたインカムから雑音が入り、すぐに聞き慣れた声が響く。
『相澤だ』
一瞬で空気が変わる。
雑談をしていた生徒たちの表情が引き締まった。
『迷子発生』
相澤の声はいつも通り冷静だった。
『対象は五歳の男児』
『保護者とはぐれたらしい』
ユカリたちは足を止める。
周囲では祭りの音楽や人々の笑い声が続いている。
だが、ヒーロー科の生徒たちだけは即座に状況把握へ移った。
『対象の個性は感情連動型』
相澤が続ける。
『不安や恐怖が強くなるほど個性が暴走する』
ねじれが「あらら」と小さく呟く。
相澤はさらに説明した。
『身体が発光する』
『小規模な爆発が起きる』
『周囲の物体が浮遊する』
『現在は未確認だが、感情の高ぶり次第では他の現象も発生する可能性がある』
周囲の祭り客に被害が出る前に見つけなければならない。
『未然防止を優先』
『発見次第保護』
『刺激するな』
『以上だ』
通信が切れる。
その瞬間。
ミリオが真っ先に動いた。
「手分けしよう!この人混みだと一ヶ所ずつ探した方が早い!」
いつもの明るさはそのまま。
だが、判断は速い。
環もそれに頷く。
「……泣き出したら危険だ」
ユカリはすぐに周囲の地図を確認する。
祭り会場はかなり広い。
神社。
屋台通り。
広場。
川沿い。
迷子の子どもが行きそうな場所はいくらでもある。