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愚者の舞《WIND BREAKER》

第3章 〈過去編〉奇妙な先輩



「ふざけてんじゃねェぞてめぇッ!」
「調子に乗ってんじゃねェぞ!」

今度は2人同時にかかってきて、零はジャージ上の袖をまくる。

(それ、そのままそっくり返すよ)

1人の相手の拳を交わすと、もう1人はその隙をついて蹴りを繰り出してきた。

しかしそれも読んでいた。

トンッ

零は1人目の拳を降ってきた相手の背後を、少しばかり押す。

すると、相手は前のめりに体勢を崩し、2人目の蹴りをもろに喰らった。

ダァンッ!

『!?』

そしてまたもう1人のびて、蹴りを喰らわしてしまった方は「ヒッ」と、怖気付く。


「おいおい。中坊相手に手加減しすぎじゃねぇのか?」

「!」

零の背後あたりのギャラリーから、風鈴3年生の数人が現れ出た。

「さっきから面白そうだから見てたが、風鈴の面目丸潰れじゃねぇか?」

顔に派手な傷があり、貫禄のある男達で、顔つきを見るだけで分かる。

(あ、なんかヤバそうな奴来た……)

張り詰めていた空気が、さらに変わる。

「随分朝っぱらから元気な奴だな。腕も悪くねぇ。風鈴に憧れて学校見学か?」

内1人、リーダー格と思われる男が話しかけてきた。

さっきまでの奴らとは貫禄やレベルは明らかに違う。経験者ならではの空気が見て取れる。

人を演じる役者である故、キャラ特有の空気には敏感だからすぐ分かる。

(下手な返答をして機嫌を損ねて、不意打ちで1発喰らえば即アウトだ)

演劇部で大事な大役を任されている以上は、大きな怪我を負うわけにはいかない。

そんな奴がそもそも、上級生相手に喧嘩ふっかけるなって話だけど……

(でも弁当ひっくり返されて、思わずカッとなってしまった……)

過ぎ去ったことをいちいち引きずるのは良くない。

問題は、どうやってこの場をしのぐかだ……


零はダメ元で聞いてみる。

「今から謝ったら、帰してもらえますか?」

「……そう思うか?」

相手は静かな返答をして、こちらへの殺意をさらに煮えたぎらせる。

(やっぱダメか。流石に4人一度に相手はヤバいな……)

零は合気道の構えをして、これから来るであろう攻撃に備える。

(どうする……)












「はいストーップ」

ガッ

?!

後ろから急に肩を組まれる。

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