第1章 序章
私は視線を下方の1階に向けて、もうじき来る敵に備える。
(とにかく今の私は、今やるべきことだけを考えるべきだ。過去の私はもう……)
スッ
「?」
急に視界が明るくなった。
何だ?と思ったら、先輩が私からお面を取り上げていた。
「!?」
顔が露わになってしまい、内心焦る。
手配中の身だから、もし他人に顔バレでもしたらヤバい。
(え?一体な……)
私が聞くよりも早く、先輩が強引に口を封じてきた。
「ん"っ…!?」
「仕事前に呆けた仕置きだ」
先輩は悪そうな笑みをこぼしながら、私に深く口付けした。
(え?ちょっ…!)
後頭部を片手で押さえつけられ、逃れることがでない。
むしろ深く引き寄せられ、今までにないくらい身体同士も密着する。
「んッ…!ん"ぅふ…ッ」
ジュル ちゅッ
舐められているのか吸われているのか分からないくらい激しく、されるがままに貪られる。
先輩がもう一方の手で、私の腰あたりを抱いているからか、離れたくても離れられない。
「ん"ん〜ッ…!」
「ハッ…動くなよ。上手くできねェだろ…」
先輩は耳元でつぶやいて、私の唇を遠慮なしに喰む。
ぬるっ
「!」
舌を絡まれて、卑猥な音が耳に響く度に、顔がさらに熱くなる。
先輩の柔らかくて暖かい体温を唇を通じて敏感に感じてしまう。
それは接吻というより、捕食に近い荒々しさがあった。
(や、ばい…息がッ…)
「……」
ようやく離されて、先輩と私の口の間に透明な糸が伝う。
「ハァ…ハァ……」
呼吸どころか足元から脱力しきっている私の様子を見て、先輩は満足そうな笑みをこぼす。
「……ハッ。ガキにはちょっと刺激が強すぎたか?」
いつものような余裕そうな笑みのまま、自身の口の端を拭う。
(せ、先輩…何、を……)
声を出そうにも、羞恥心で呼吸もバテバテで出ない。
立ち眩みそうになるが、先輩が腰に手を回しているため、倒れることはない。
「ハァ…ハァ……」
「……」
ニタァ
先輩は私の様子を楽しそうに観察すると、今度は首筋に噛みついてきた。
「ヒャッ…!?」
「ハッ。良い声出すなぁ」
そのまま噛み付くように吸われる。