第4章 告白をしよう!
次の日の夜。
「仗助アンタさぁ、携帯欲しくない?」
夕飯の時お袋に、突然そんな事を言われた。
この間のあれは、俺の携帯の事を考えていたのかとちょっとばかり有難くなった。
「いや、別に?不自由はしてねぇし」
気まずいというか後ろめたいが不自由はあまりしていない。
そう思ったので、素直にそんな返事をするとお袋はニヤリと笑った。
「仗助……気付かないとでも思ってんの?アンタ、彼女出来たでしょ」
「なッ!」
さすが、親だ。
鋭い指摘をされて、俺は思わず持っていた箸をぽとりと落とした。
「最近さぁ、やけにコソコソ電話してるじゃない?これは、女だなと思ってね」
「べ、別にいいだろ!」
「ね、どんな子なのよ?」
「……べ……」
別に、と言いかけて急に思った。
俺は別に彩峰さんとやましい付き合いをしてるわけじゃあない。
それに、死ぬまで隠し通したいわけでもない。
「……美人、っつーか……可愛い、っつーか……」
こんな惚気を言っている俺は、今きっと顔が赤いだろう。
そんな俺を見て、お袋が楽しそうにあははと笑った。
「どっちよ!っていうかアンタ、メンクイなの?」
「も、もういーだろ!」
「いつか紹介してよね!……これ、あげるから」
そう言って、お袋はテーブルの上に何かを置いた。
「いじんのは夕飯食べてからにしなさいね」
お袋が手を離すと、そこにあったのは携帯電話だった。
「ちょ、母ちゃん!いいって、こんなの」
「なぁに、アンタが遠慮するなんて珍しい。いいのよ、使いなさい」
彼女との電話くらいで正直もったいないと思ったが、少しは欲しいと思っていたのも事実だ。
「……電話代、かさまねえように使うから」
面と向かってありがとうと言うのが少し照れくさくて、俺は今言える精一杯の感謝をお袋に伝えた。
急に降ってわいた天からの恵み、携帯電話。
飯食ったら、彩峰さんに電話してみるか。
そんな事を考えながら、俺は夕飯を片付けようと落ちていた箸を持ち直した。
pm8:30。
俺は、自分の部屋でテーブルの上の携帯電話と睨み合いをしていた。
な、なんかよぉ……
今更だけど、緊張するぜ……
あ?何がってか?
なんだ……あれだ……
携帯からっつうのが、なんか……
いや!いつまでもコイツ睨んでても仕方ねえ!