第4章 告白をしよう!
杜王グランドホテルからの帰り道、お袋と鉢合わせした。
「あ、仗助!なにあんた、どこ行ってたの?」
「いや、別にィ?」
承太郎さんの所に行っていたとはなんとなく言いずらくて話を濁そうとした。
「まぁ、別にいいけど……あ!そうそうこれから、生徒の家に行かなきゃあならなくて!夕飯なんか好きなものでも買って食べな!」
そう言って、お袋は財布から千円札を出すと俺に寄越した。
「ごめん、私急いでるから!じゃあね、気を付けて帰んのよ!」
「おう、母ちゃんも気ィ付けろよ」
走っていくお袋の後ろ姿をしばらく眺めた後、俺はカメユーに向かって歩き出した。
「千円あったら、結構いいモン食えんな……」
カメユーに着いた俺は、弁当でも買おうと食品売り場に向かっていた。
「あれ?仗助くん?」
突然、知っている声に後ろから呼び止められた。
後ろを振り向くと、そこには彩峰さんが立っていた。
ほら、やっぱり。
どうしたらいいか分かんねえ時に限って会うって、こういう事だぜ……
「彩峰さん、どうも……買い物っスか?」
会ってしまった事に少し戸惑いながらそう聞くと、彩峰さんは手に持っていた小さな紙袋を俺に見せた。
「うん。化粧品、もうないやつ結構あって。仗助くんも買い物?」
「はぁ、まぁ……」
「そっかぁ!じゃあ私、これから食品フロア行くから」
そう言って笑顔で俺に手を振った。
ちょ、ちょっと待ってくれよ……
なんつー偶然なんだ、これ?
「いや、俺も食品フロア行くんスよ」
「えっ、そうなの?じゃあ、一緒に行こ!」
彩峰さんは、笑顔のままそう言ってエスカレーターに乗った。
一緒に食いモン見んのか……
さっきは気まずいとか思っちまったけどよぉ……
これって実は、おいしい展開なんじゃあねぇの?
2人で食品売り場とか……なんか、夫婦みたいだぜ……あ、いや!せめてカップルか。
億泰やら承太郎さんやらの思うような展開になっちまいそうだけどよぉ……
今日、バシッと告るしかねえ!
「仗助くん?どうしたの?」
彩峰さんに呼ばれて、俺は現実に引き戻された。
「あ!いや!腹減ったな~って……はははっ」
軽くその場を誤魔化して、俺は何も気に留めていない彩峰さんの後ろをついて行った。