第18章 おかえり
顔を上げて憂太に覆い被さるように、シーツに手をつく。
「憂太、おかえり。嬉しい……でも、どうしているの?それと、渋谷は……」
「ん。先にキスしていい?起きるまで我慢してたんだ」
頬に手を添えられ、導かれるように顔を落とす。
ふわりと唇が重なり、そっと離れた。
木々や陽だまりのような優しい香りが鼻腔を擽る。
――憂太の匂いだ。
ゆっくりと起き上がってきた憂太の膝に腰を落とし、そっと寄り添う。
憂太の首筋が見える。
憂太は囲うように両手を結んで、私を腕の中に閉じ込めた。
「上層部に呼び戻されたんだ。虎杖悠仁の処刑の任務を僕にやらせる為にね」
ヒュッと息を呑んで、憂太のTシャツを握った。
それに気づいた憂太は、頬を擦り寄せて「大丈夫だよ」と優しい声を落とす。
「今の状況は……」
憂太はゆっくりと話し出し、渋谷がどうなったのか、上層部の判断はどんなものか教えてくれた。
夏油傑の生存を確認。
再度、死刑の宣告がされた。
そして悟は……渋谷事変共同正犯とされ、呪術界から永久追放。
悟の封印を解く行為も罪となる。
夜蛾学長は悟と夏油を唆し、渋谷事変を起こしたことにされ、死罪を認定された。
上層部は3人に全ての罪を擦り付けた。
その事実に、拳をギリギリと握る。
悔しくて堪らなかった。
たくさんの人が死に、みんなを守った悟や夜蛾学長が悪者になる。
悠仁は宿儺に乗っ取られ、大量殺人を犯したようだ。
でもそれは宿儺であって、悠仁の罪ではない。
それなのに……。
今までとは何もかもが変わり、今だけは大好きな人の腕の中で幸せに包まれていたいと思った。
「憂太ぁ……好きだよ」
「うん。僕も好き」
ぎゅうと包み込むように抱き締めてくれた。