第19章 それでも進む
脹相の弟たちが眠っているという扉を開けると、下に広く、そこからは木が生い茂っていた。
下に降りて森のようになっている場所を歩く。
倉庫のような建物があり、脹相は後で迎えに来ると手を添える。
――あそこに、いるんだろうな。
「千景?」
「ん?……ごめん、ボーッとしてた」
憂太の手は私の手に移り、指を絡めて握っていた。
エレベーターに乗り込み、ゴウンゴウンと音を立てて降りていく。
降りた先では、床に血痕が散らばっていた。
「12年も前の話さ。今思えば、全ての歪みは……あの時始まったのかもしれない」
前から聞こえる九十九さんの声。
私はなんとなくわかっていた。
悟に少し聞いていたから。
ここに――伏黒甚爾がいた。
そして、私たちは本殿に辿り着いた。
真っ白な空間。
私たちは天元様に拒絶されている。
「戻ろうか。津美紀さんには時間がない」
「うん。早くしないと……」
「帰るのか?」
ここにいる誰のものでもない声が聞こえて、一斉に振り向いた。