第19章 それでも進む
みんなと共に、天元様に繋がる扉を探す。
少し後ろを歩いていると、憂太が退ってきた。
「どうしたの?」
俯いたまま首を振った。
少し前を向くと、恵と悠仁が気にしている。
少しだけ視線が刺さった。
先程のことで落ち着かないんだろう。
私が憂太に甘えていたから。
突然憂太が熱い吐息がかかるほど、耳に近づいた。
肩を上げて反応してしまう。
「好きだよ」
腰を抱いた手に引き寄せられ、憂太に密着した。
私にだけ聞こえる、憂太の想い。
そんな憂太にへらっと笑顔を見せた。
ほんの少し暗くなったくらいで憂太は気づき、安心させてくれる。
「憂太。私……まだ自信が持てなくて……憂太の1番になれてるって。だからこれからも面倒臭いだろうけど、お願いね?」
「……そんなことないよ。そんな風に思ってないから、不安になったらちゃんと言ってね」
コクッと頷くと髪を撫でてくれて、下がっていた口角が上がる。
この世界で誰かを愛するということは、何よりも面倒な呪いとなる。
悟が言っていたことを思い出した。
憂太は誰よりも"愛"を持っている。
だから私も同じくらい返せたらいいな。
1つの扉に近づいていく脹相の後を、ただ憂太を想いながら歩いていた。