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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第17章 渋谷事変


何度も腕を振り下ろす。
なのに、必中のはずの断頭台は躱され続けた。
悟に言われてから、呪力の消費量を調整していたが、既に底が見えている。

伏黒甚爾は遊ぶように躱し、笑っていた。
当たらない大技に、笑う伏黒甚爾。
苛立ちが募っていく。

無理やり影を掴み、即座にギロチンを形成する。
残った呪力、全てを使って断頭台を下ろした。

「既に死んだ人間が、いつまでも……」

全てを賭けた断頭台は空を切る。
次元が違いすぎる。

力が入らなくなった膝が崩れ落ちる。
気づけば、伏黒甚爾が目の前にいた。

「もっと楽しめそうな奴はいねぇのか」

――恵や悠仁が危ない。
伏黒甚爾の足にしがみつき、睨んだ。
でも次の瞬間、お腹に衝撃が走り飛ばされる。

ゴロゴロと転がり、止まる。
伏黒甚爾は私を屋上の端に近い方ではなく、遠い方に飛ばした。
恐らく、意図的に。

「気まぐれだ。お前を見ると、ガキの顔が過ぎる」

霞んでいく視界で、屋上からいなくなる伏黒甚爾を見つめていた。
そして間もなく、意識が途切れる。

「恵……」

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