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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第17章 渋谷事変


猪野さんと2人でおばあさんに攻撃を仕掛けるが、全て孫に弾かれた。
そして、おばあさんと孫は呪力で包まれていく。

「させるかッ!!」

雰囲気が変わる2人に、猪野さんと私はすぐに防ごうと攻撃をする。
孫は何か小さな物を飲み込んだ。

猪野さんの獬豸は孫に掴まれ、私の影は躱される。
――直接躱すのとは訳が違うのに、身体を動かして影が捕まらないようにするなんて……。

「禪院甚爾!」

おばあさんの声を聞いて、身体がピクッと動いた。
聞き間違いじゃなければ、今……"禪院甚爾"と言った。
私の父・伏黒甚爾は、禪院家の出身。

「うん、いいよ。ばあちゃん。今までにない」

孫の姿形がどんどん変わっていく。
降霊術――あのおばあさんはイタコだったのか。
しかも、自身の身体ではなく、孫の身体に憑依させて。

孫の姿は、黒髪に口元の傷――別人に変わっていた。
――恵に似ている。

「猪野さんッ!私の知っている人であれば、恐らく相当強いです!距離を詰めるのは控えてください!」

もしあれが伏黒甚爾で、その力も引き出せるのだとしたら……。
伏黒甚爾はフィジカルギフテッド。
こちらが距離を詰めなくても、あちらが向かってくるだろう。

猪野さんがすぐに術式を発動しようとしたが、孫だった人は一瞬にして猪野さんの後ろに移動していた。
猪野さんのニット帽が取られている。

猪野さんの頬を殴り、胸ぐらを掴む。
そのまま、ものすごい速さで殴り続けた。

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