第17章 渋谷事変
「お前らぁー!!任務の前に、ことの重大さを教えてやる」
突然叫んだ猪野さんに肩を跳ねさせる。
どうしたのだろうと、その背中を見つめた。
振り向いた猪野さんは、悟がいなくなって困る"2つ"のことを話し始める。
「1つ。五条家の失墜」
五条家は悟のワンマンチームで、悟の権力やわがままで救われてる術師がたくさんいる。
――私も悟にたくさん救われたな。
あんな人だけど、悟を助けようとする人はたくさんいるだろう。
悠仁を始め、そんな人たちはみんな、上層部に消される可能性がある。
そして2つ目。
悟がいないことで、大人しくしていた呪詛師や呪霊がたくさん出てくるだろう。
悟に救われた人たちと上層部が揉めている間に、呪詛師や呪霊が攻めてきたら……負ける。
何より、悟がいないから。
「俺と七海さんはそう読んでる。負けたらどうなる?」
「少なくとも日本では、人間の時代が終わるかもしれないですね」
「悟は絶対に助けます。人間の時代とかそういうのじゃなくて……私情で。私は悟にいて欲しい」
猪野さんは私たちに近づいてきて、パチンッとみんなと手を叩く。
「行くぜ、後輩ちゃんズ!七海さんが戻る前に、帳をぶっ壊す!――五条悟を助けるぞ!!」