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呪いのなかで、恋々【乙骨憂太】

第17章 渋谷事変


拘束された呪霊と目隠しの男。
男を見上げて、首を傾げた。

「悟、どうかしたの?呪霊なんて連れてきて」

隔離されたような部屋。
何もないコンクリートに囲まれた部屋の真ん中に、呪霊は横たわっている。

「千景さ、あれやってみて。ギロチンの」

「断頭台?呪力なくなるんだけど……」

文句を垂れながらも、右手を振り上げ、影を伸ばす。
悟は目隠しを下げた。

この呪霊は顔はあるが、四肢はよくわからなかった。
首だと思う場所が首じゃない可能性はあるが、私が首だと認識出来れば問題ない。
だから、人形相手でも発動することは出来る。

影が伸びるように照らされた呪霊。
その影の首に真っ黒なギロチンを形成した。

いつものあの、省略した呪詞を唱える。
腕を振り下ろすと呪霊の首は切断され転がり、消滅する。

――祓っちゃって、よかったんだよね?
悟を見上げると、顎に指をかけ、ジッと呪霊がいた場所を見つめていた。

「やっぱりさぁ――それ、必中だよね?あのギロチンが領域みたいなもん。チートだね」

悟は分析するように煌めく蒼い瞳で呟いていた。

「まあでも、そんなに呪力消費するなら考えものかな。千景は呪力総量が多い方だけどさ、それでも呪力切れでしょ?」

悟は「憂太くらいあればね」とこちらを向いて、コテンと首を傾げた。
そして、大きな手が頭の上に置かれる。

「憂太と同じくらい、期待してるよ。強くなってね」

髪の毛をくしゃくしゃにして、悟は部屋を出ていく。
その大きな背中には、いつまで経っても追いつけないような気がしていた。

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