第13章 平行世界
アリスは太宰と敦と共に、昨日、自身が気がつけば立っていた場所へと来ていた。
「この当たりに防犯カメラはあるかなー?」
キョロキョロしながら探すアリス。
「『ワンダーランド』は使えるんですね」
「うん。此方側の世界にも異能力が存在するからじゃないかな?」
「成程」
敦の質問にアリスが答える。
「治兄、何ヶ所わかれば拠点を割り出せる?」
「3、4あれば」
「了解」
アリスは、大通りに出る前に設置されていた防犯カメラの前で異能力を発動させた。
「見付かりますかね?」
「見つけてみせるさ、絶対に」
何時になく真剣な太宰に、敦は息を飲む。
そうこうする間に、解析が終わったアリスが手を振って合図した。
「移動するよー」
その声で移動する3人。
ふと、太宰がアリスに疑問をぶつける。
「君は今のところ異能力を使っても大丈夫なのかい?」
「うん?如何いうこと?」
「タイムリミットがあるのだろう?」
「?何それ」
「!?」
アリスが首を傾げて云うと、太宰は目を見開いて問うた。
「アリスの中には時計があって、其れが12時を示すと深い眠りに陥るんだ。君は違うのかい?」
「時計は確かに存在するけれど、普段の食事や睡眠……とかで針は戻るし、止まったり逆戻りするなんて、大怪我したとき位しかないけれど」
「食事や睡眠だって?」
「時計の針は異能力を発動すれば確かに進みが速くなっちゃうけれど、他の人達が疲労を回復するのと同じ原理で元に戻るよ?」
「じゃあ君はそんなに眠りにつくことはないってことかい?」
「うん、過去は結構あったけど、ここ最近は無いよ」
「……。」
太宰は考え込む。
このアリスにできて此方側のアリスに出来ないことなんてあるのだろうか。
「あとね、幸せだなーって思っても疲労って回復するよ」
「!」
アリスはニッコリと笑って太宰に云う。
「此方側の私は未だ異能力を上手く扱えないと思い込んでるんじゃないかな」
「その気はあるね」
アリスの言葉に太宰が納得するように答える。