第13章 平行世界
「戻ったか」
光が収まって、一番聞き覚えのある声を聞いてアリスはそちらを振り返った。
「ただいま〜中也」
此処が中也の家だと分かるとアリスは中也に飛びついた。
中也もそれに応じる。
「おう、おかえり」
抱き締めて頭を撫でてやる中也。
此処まではよかった。
「あれ?何で家に居るの?もう帰宅時間?」
「いや?溜まりに溜まった有給を使おうかと思ってな?」
「へぇー珍しい!何日あるの?」
「3日」
「3日も?本当に珍しっ……」
『俺なら『誰に何を頼ったか』じっくり尋問するし、内容によっちゃあ、なあ?』
アリスの脳裏に、ふとある言葉が過ぎった。
その瞬間に、抱き締めている腕の力が強まったことに気付き、アリスは冷や汗をかき始めた。
「あの、中也さん?」
「手前、今誰の何を想像した?」
「ヒャッ…!?」
耳元で囁かれる低い声ーーー。
「いや、何もっ!私、向こう側の中也にお世話になって疚しいことは一切無いです!」
「お世話になって、ねェ……」
スルッとアリスの腰を撫で付ける中也。
「その辺の話をゆっくり聞こうか?アリス」
あちら側の中也が云っていた事が予言だった事を、
アリスは3日間、思い知る羽目になったのだった。