第13章 平行世界
太宰はアリスの手を繋ぎ、口を開く。
「1日とはいえ大変な目にあったね」
「うん。でも向こう側の治がすぐに帰れるって云ってくれたから心配してなかったよ」
「そう」
アリスの笑顔に漸く太宰も小さく笑った。
「アリス」
「何?」
「『ワンダーランド』の制御の練習をしよう?」
「!」
太宰の言葉にアリスが太宰の顔を見上げる。
「アリスの代わりに来ていた向こう側のアリスは、制御出来ると断言していた」
「……出来ると思う?」
「出来るさ、絶対に」
太宰の言葉にアリスは小さく頷く。
「制御できたら具体的に如何なるの?」
「力の使いすぎによる睡眠を避けられるらしい」
「えっ…!」
アリスは驚きの声を上げる。
「恐らくアリスは異能を使うことに何かしらの抵抗を感じている筈だ」
「……抵抗とは一寸違うかもだけど…何か対価がないとこんな事出来ないなーって考えは常にあるね」
「それだね」
「え?」
「私達が異能を発動するのに、そんなことは一切考えていない」
「!」
確かにそうだろう。
「その考えを切り替えるってこと?」
「そう。賢治君も怒りを空腹に代用して力を使用している。アリスもそうやって何かに置き換える訓練していこう。そうすればアリスの負担は減るかもしれない」
「……難しそうだけどやってみる」
アリスは繋いだ手の力をキュッと込めた。
それに応じる太宰。そして、笑顔で頷くのであった。