第13章 平行世界
翌朝ーーー
中也はポートマフィアの資料室を探っていた。
「如何して資料をさがしてるの?」
自分の妻がよくする、首を傾げる仕草をしながら質問してくる少女の方を向いて中也は答えた。
「『触れた相手を異世界に飛ばす異能力者』、何処かで聴いたことあんだよな」
「此方側にも同じ異能力者が居るってこと?」
「その可能性は充分にあるだろ。現に手前のワンダーランドや俺の重力操作は同じだ。見つけることができりゃ帰る方法がわかるかも知れねえ」
「流石、中也兄!頭良いね!」
「……だが、」
「?」
中也は、資料をパラパラと捲る手を止めた。
「その異能者について対応していたのは太宰だった気がすンだよ」
「!」
アリスがピクリと反応する。
「此方の治って今何をしてるの?」
「手前の所と同じ、武装探偵社に居る」
「……矢っ張り会うしかないかな?」
「会ったら寂しくなる気持ちも判らなくは無いが、早く帰れるための一歩にはなるかもしれねえな」
パタンと資料を閉じてアリスに向き合う中也。
アリスは決意したように頷くと、中也は資料を元に戻して通信端末を取り出した。
「ただ……出るかは判んねえぞ。如何せん、彼奴とは敵同士だからな」
「判ってる」
中也は、自分の知っている太宰のだった通信端末の番号に電話を掛ける。
数回のコール。
出ないかと諦めていた時、通話開始を告げる反応を見せた。
「出やがった」
『そっちが掛けといて何だい、藪から棒に』
不機嫌な声。間違いなく太宰のものだった。
「手前、今何処に居る」
『え?〇〇公園だけど』
「今から其処に向かうから動くな」
『……、はいはい』
太宰は数拍おいて、了承すると通信を切断した。
それを確認して、中也は、アリスを引き連れて駐車場へと移動する。
「治、何か識ってる感じだったね?」
「俺達じゃ判らない事を彼奴は知ってても可笑しくねえからな」
運転しながらそうぼやく中也。
2人は〇〇公園へ急いだのだった。