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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第13章 平行世界


「で?何が如何なってる」

中也のセーフハウスに戻ってきた2人。
アリスの希望通りに紅茶を出してやると話を切り出した。

「何かね、此方の私が異能攻撃を受けちゃったみたいで」

「入れ替わったッてことか」

「多分」

紅茶を飲みながら説明するアリス。

「矢っ張り中也の淹れる紅茶は美味しい」

コクコクと飲むアリスに中也は抱いた疑問をぶつける。

「なぁ、俺と名前で呼び合う仲なのか?」

「あ、うん。御免なさい。馴れ馴れしかったね。此方の私は中也兄って呼んでるかな?」

「いや、中也でいいけどよ。手前が名前で呼ぶ奴なんて青鯖だけかと思ってたぜ」

「私はポートマフィアに所属してるから」

「成程な。そう云うことか」

「中也って呼ぶのは結婚してて」

「その話は本当だったのかよ!?」

持っていたカップを落としそうになりながら、中也はツッコミを入れる。

「本当だよ」

アリスは指輪を外して、中也に渡す。
指輪の裏に彫られた名前を見て、中也は指輪をアリスに返した。

「マジか」

「マジです」

指輪を嵌め直すアリス。

「だから治兄のところに居たくないって云ったら中也を呼んでくれてね?」

「俺と手前の俺は別人だろ」

「それでも治兄に頼るよりはマシだよ」

アリスは冷や汗をかいている。

「何だァ?随分束縛されてるみたいだな?」

「他の人とはそうでもないんだけど……治兄だけは本当に駄目で…中也が居ないときに2人きりになったとバレたら」

「バレたら?」

「後は自分で想像してみてよ。好きな人が治兄と2人きりで話しているところ」

「別に今好きなヤツ居ねえンだけど……そうだな。監禁拘束して判るまで続けるな」

「矢っ張り、中也は中也だよ」

「何だよ、経験済みか」

「……。」

カタカタと震えてるアリス。その通りなのだろう。
中也は己の独占欲の強さを自覚することになったのだった。

「まあ、俺でも一緒だと思うがな」

「え?」

「俺と一緒なんだろ?」

「まあ、今の話を聞く限りじゃ思考はそっくりだね」

「じゃあ戻ったら監禁されると思うぜ?」

「……え。」

「俺なら『誰に何を頼ったか』じっくり尋問するし、内容によっちゃあ、なあ?」

「……。」

ニヤリと笑って不吉なことを云う中也だった。
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