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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第13章 平行世界


「手前、アリスが一大事ッて云わなかったか?」

「云ったとも。アリスは今行方不明だ」

「はァ?じゃあ此奴は………」

「?」

アリスをジーッとみる中也。
そして、大きく息を吐いた。

「誰だ?此奴」

「見ての通り、アリスらしい。私達の知らない、ね」

「そういうことかよ」

チッ、と舌打ちする中也。

「私、そんなに違う?」

首を傾げて質問するアリスに、中也が答える。

「……手前の方が少し大人びてンな」

「私のアリスが子供っぽいって云いたいわけ?」

「其処までは云ってねえだろ」

太宰のツッコミに呆れ顔をする中也。

「で?俺を呼び出した理由は。真逆と思うがーーー」

「そう、彼女を預かって欲しい」

「何でだよ!」

太宰の言葉に全力でツッコむ中也。そして、アリスの方を向きやる。

「手前も太宰の方がいいだろーが!?」

「私は中也の方がいいよ」

「中也ァ!?」

どうなってやがる!?と云わんばかりに太宰の方をバッとみる。太宰は肩を落としながら小さく息を吐く。

「君の伴侶らしいよ?」

「はぁ!?」

「って訳で宜しくね!明日の朝、10時に此処に送ってくれればいいから」

「なっ!?お、おい!」

太宰が中也を押して、入り口の扉を閉める。

「強引だねー」

「五月蠅いから早く一緒に帰ってくれ給え」

「有難う治兄」

「……如何いたしまして」


ニコっと笑って云うアリスに、太宰は少し間を開けて返事をした。


アリスは外にいる中也と合流したのだろう。暫く聴こえていた声が遠ざかって、消えていった。


「向こうでアリスちゃんも太宰さんに保護されていたらいいですけど」

「否、アリスは向こうの私の元には行ってないと思う」

「え」

敦は思わぬ返事に素っ頓狂な声を上げる。

「中也は目の前で困ってる人が居たら敵でない限り手を差し伸べる、そういう人間だ」

「なら尚更、太宰さんの処に案内しませんかね?」

「……中也も云っていたけどアリスは、彼女より少し子供だよ」

「僕には全く一緒に見えましたけど……」

「……。」


太宰はハァ、とため息を吐くと自身も武装探偵社を後にしたのだった。
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