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【文スト】不思議の国の異能少女・陰

第13章 平行世界


「じゃあ私が帰れるかどうかって」

「そう、その男の確保に掛かっている」

武装探偵社の事務室でお茶を啜りながら、アリスは現状の説明を受けた。

「にしても家出の斡旋ーーー平行世界の自分と入れ替えるって事だったのか」

「だから依頼人は『息子が息子でないみたい』って云っていたんですね」

国木田と谷崎が納得するように纏める。


「太宰。お前の異能で如何にかならないのか」

「うーん。ならないと思うけど…君、手を貸してくれるかい?」

「はい」

アリスと握手する太宰。
しかし、何も起こらない。

「発動主に触れなければ駄目なやつだね」

太宰は首を横に振りながら答えた。

「取り敢えず、今日はもう遅い。これからどうするかは明日以降考えるとしよう」

国木田の言葉にアリスは考える。


「そうなると、私は一体如何したらいい?」

「「……。」」


確かに、と全員が太宰の方を見る。


「あ、治兄のところは絶対にいやだよ?」

「だよね。私もお断りしたい」

「仲は悪くないはずだろう?」

与謝野がアリスに問う。

「悪くはないけど、治兄、私に嫌がらせばっかりするから。それに戻った後、中也に何されるか判らないし…」

アリスは段々と小声になる。

「そうか、中也に対して最高の嫌がらせができるってわけか」

「急に乗り気にならないでよ。絶対嫌」

「なら、中也に迎えに来てもらうのは如何?」

「此方の中也って治兄のお願い事を素直に聞いてくれる様な人なの?」

「真逆」

太宰は通信端末を取り出して、操作をし、耳に当てる。
相手が出たのだろう。

「はぁい、中也。息災かい?」

『……何で手前は端末変えても連絡してこれンだよ』

「この世に調べてわからないものなんて無いね」

『で、要件は』

「アリスが一大事だ。直ぐに来てほしい」

急に真剣な声音で云う太宰。
相手が何か云ったのだろう。うん、待ってると返事すると通信端末を切った。

「まあ、嘘は云ってなかったね」

「でしょ」

呆れた顔をするアリスに、太宰はニッコリと笑ってみせた。

数十分後、中也は武装探偵社に現れた。

「邪魔するぜ」

中に入ってきて、ザッと周りを見渡す中也。
そして、普通に立っているアリスを見て、太宰の方をジロリと睨みつけた。
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