第13章 平行世界
「アリスちゃんですけど、先刻と服装が違いますね」
太宰の呟きに、敦もアリスをまじまじと見る。
「君は如何して此処に?」
太宰は事情を知っているだろうアリスに声を掛けた。
「判らない。中也の帰りを待ちながらお茶を飲んでたら突然光に襲われて光りが収まったら此処に立ってたの」
「中也?今、中也って云った?」
「うん、云ったけど。治兄もよく知ってる筈の元相棒の中原中也」
「…名前を呼び捨てする仲なの?」
「え、うん。結婚してるし」
「結婚!?」
太宰が、驚きの声を上げる。ブツブツ云い始めた太宰を放って、アリスは、敦の方の方を見た。
「何かよく分からないけど、『此方の私』は中也の傍に居ないのね?」
「中也って、ポートマフィアの方ですよね?」
「うん、そう。治兄の反応を見る感じじゃ此方にも居るんでしょ?」
「居ます。でも、僕達は敵同士で」
「敵?私と中也が?」
キョトンとするアリス。
「否、アリスはあくまで妹分だからアリス個人としては敵対はしてないよ」
何時の間にか戻ってきた太宰が、口を開く。
その言葉に少し安心するアリス。
「でも妹分ってことは此方の私って何してるの?」
「武装探偵社に所属している」
「……は?」
ポカンとした顔で、疑問符を浮かべるアリス。
「だからアリスは私の恋人として武装探偵社に所属している」
「治兄の恋人ぉ!?」
「……武装探偵社社員よりも其方を驚くのね」
傷付いた素振りをみせる太宰。
「あ、そういう演技はいいから」
「そうだね。話が続かない」
「如何します?」
敦が太宰に問う。
「取り敢えず、探偵社に戻ろう。話はそれからだ。君もそれでいいかい?」
「そうだね。今此処で解散されても、私も如何したらいいか分からないし」
そう云うと3人は武装探偵社に向かって歩き出したのだった。