第12章 居場所
「また、随分と真面目そうな人と一緒にいるね?治兄」
「そうなんだよ。国木田君は理想の権化でね」
緊張感のない会話が続いている。
遮ったのは勿論、国木田だった。
「何が如何なっている!抑も小娘、何故此処に居る!?」
「うん?私はこの施設を破壊しに来たんだよ」
「破壊だと!?」
アリスの言葉に驚きを隠せない国木田。
「それよりも阿方に行方知れずだった子供が居る。早く保護してあげてよ」
「何!?無事なのか!?」
「身体は何とか。心はボロボロだろうけど……」
アリスの言葉に、国木田は指し示された方へと向かっていったのだった。
それを見送るアリスと太宰。
「治兄は行かないってことは私と対峙するのかな?」
「うふふ。真逆」
そう笑って云った時だった。
「何している、早くその餓鬼を始末しろ!」
▲▼が部屋に入ってきたのだ。
手には銃。明らかにアリスを殺す心算だ。
「銃を降ろして下さい▲▼さん。貴方じゃあ勝ち目はない」
「黙れ!」
パァン、と乾いた音が響き渡る。
が、もちろん銃弾は標的だったアリスには届かない。
「!?」
銃弾が虚しくコロコロと転がる。
アリスは、それを気にもせずに▲▼の元へとゆっくり歩みを進めた。
恐怖のあまり、ガクガクと震え始める▲▼。
その震えは、銃を落とす程の震えだった。
眼の前で止まった少女は、▲▼の前に手を差し出して云った。
「△▽が残した手帳、出して?」
「ヒィッ!」
ガクガク震える手で、云われた通りに懐から手帳を取り出す▲▼。それを受け取るとアリスはパラパラと捲り、中を確認した。
「此れの複製とかってある?」
「無いっ…、それだけだっ!」
声まで震えている。
然し、アリスとっては如何でも良い事だった。
「ふーん。そっか。じゃあもう用無しだね」
「っ!?おい、探偵社、私の護衛だろ!?扶けっ…」
先程の男と同様に▲▼も床に這いつくばる。
「探していた此れが恙無く回収できたことに免じて、一瞬で逝かせてあげるね」
「待…、」
グシャリ、と男は潰れ、絶命した。
その様子を見て、驚いているのはアリスだった。
「驚いた。本当に止めなくてよかったの?」
首を傾げていうアリス。