第12章 居場所
太宰と国木田は手掛かりを求めて⊿⊿議員の遺体が発見された⊿⊿の自宅に来ていた。
⊿⊿議員の所有する屋敷の1つ。そこにあった書斎。
近所の人達が銃声のような物音を聞いたため通報し、事件が発覚したらしい。
「⊿⊿議員が所持していた銃の弾が死因だそうだ。警察は他殺と自殺、両面で調べている。如何思う?」
「他殺だろうね」
「然し、何も痕跡が残っていないのだぞ」
机を漁っていた太宰が1つの書類を手に、はっきり答える。
「何故言い切れる?」
「此の書類」
はい、と国木田に渡す。
国木田は受け取ると直ぐに目を通し、納得した。
「○×社への資金提供か。成程。○×社といえばポートマフィアの息が掛かっているとの噂がある」
「……。」
太宰は何も言わずに机を漁り続ける。
「然し、マフィア迄絡んでくるとなると骨の折れる仕事だな」
ふぅと一息つき、国木田が頭に手を当てる。
其のまま家捜しを行い、議員の家を出たのは午後9時時を廻った頃だった。
「取り敢えず、社に戻って簡単に報告書を――ん?」
何時の間にやら太宰が隣に居ない。
振り返ると、
「あ、急用を思い出した!後は頼んだよー国木田くーん!」
と言い、反対方向に走り去る太宰の姿。
「待て!太宰ー!」
直ぐに太宰の姿は見えなくなった。
それから暫くして、太宰はとある場所に来ていた。
「次は恐らく…」
倉庫街の1つに在った○×と云う名の会社。
倉庫の中に事務所があり、其処で仕入れた輸入品等を取引先に送る手配をしたりと1つの倉庫で全ての業務を熟す小規模の企業だった。
取引をする上司と荷積みの下っ端が変に分かれていないため纏めて扱い易く、ポートマフィアが目をつけるのも無理も無い話だ。
「!」
倉庫群の中で唯一、炭と化している建物が目に留まる。
「遅かったか」
○×だった建物。
その中に躊躇いなく侵入する太宰。
入る前に、左右に建ち並ぶ倉庫を確認したが一切の被害がない。故意に○×だけを襲撃しているようだ。
「完全に怒らせているようだね…」
中の被害状況を確認していると炭の固まりに気付く。
恐らく、人だったと思われる炭。
それが20個ほど転がっていた。
其の近くには溶け掛けた銃なども散乱している。
「よぉ放浪者。矢っ張り手前が来たか」
「!」
太宰は声がする方に視線をやった。