第12章 居場所
「中也、私一人で大丈夫だよ?」
「駄目だ」
中也はハッキリと云った。
「……怒ってないの?」
「怒る?何でだよ」
突拍子も無い質問に首を傾げる中也。
「だって、中也の知らないところで人殺しとかしてたし……その……」
「特定できないようにバラしたんだろ?」
「それは、うん。足はつかないと思うけど」
「だったら特に云うことはねえな、殺しのことについては」
「………他の事では云うことがあるの?」
アリスは呟いた。
中也は、ハァ、と溜め息を付く。
「誰にも云いたくないことの1つや2つはあンだろ。全部を喋れとは云わねえが…話せることはなるべく話せ。心配する」
「…悪い事だって怒ったりしないの?」
「お前、俺の所属組織云ってみろよ」
「……ポートマフィアだけど」
「マフィアが悪事をするなって云って、説得力あるか?」
「無いね…確かに」
アリスは中也に抱き着いた。中也は頭を頭を優しく撫でる。
「もしかしたら、否定されて止められるかもと思ってたの。……黙ってて御免なさい」
「謝らなくていい。今度から何かあったらまず俺に話せ、な?」
「うん。約束する」
アリスは漸く笑った。
「そう云えば、誘拐事件なんだけど武装探偵社も関わってるみたい」
「……まあ妥当といや妥当だな」
中也の眉間に皺が寄る。
「⊿⊿を自殺に見せかけて殺してきたけど、治兄や武装探偵社にいる探偵さんが見たら一発で他殺と見抜かれると思う」
「名探偵は兎も角、太宰がアリスを売るわけねえ。それは心配する必要はねえだろ」
「だといいけど…取り敢えずそれは置いておいて、◇◇ちゃんの死を捜査していたら⊿⊿に辿り着くと思う。そして、⊿⊿の家を捜査したら○✕との関わりも分かっちゃう……中也が行って大丈夫?」
「何度も云うけどなアリス」
「うん?」
「俺も彼奴には会いたくねえが、それ以上に手前を太宰に会わせたくねえんだよ」
「……それこそ心配しなくても大丈夫なのに」
「嫌なものは嫌だ」
「判った。破壊しに行って直ぐ帰る」
「そうすンぞ」
中也とアリスは、車に乗り込んだのだった。