第12章 居場所
「⊿⊿は異能力開発実験に資金提供していたの。生かしておくわけにはいかない…」
アリスの声は低い。
余程、異能力開発実験を許せないのだろう、という事を森と中也に認識させるには充分だった。
「話しは大体判った」
森はそう云うと、ふむ、と考える。
「○✕は異能力開発実験に加担し、我がポートマフィアを転覆を企てている疑いがあるーーーそうだね?中也君」
「はい。如何致しましょう」
2人のやり取りにアリスは顔を上げて、交互にみる。
「徹底的に潰せ」
「承知いたしましました。ーーー行くぞ、アリス」
「え、あ、うん……有難う森さん」
中也に手を引かれて退室をする際に、森にお礼を云うアリス。
森はニコニコしながらアリスたちを見送った。
パタン、と閉まった扉をみて、森の傍で黙ってやり取りを聞いていたエリスが口を開いた。
「いいの?」
「いいとも。アリスちゃんを失う事と傘下組織1つ失う事、天秤に掛ければ何方に傾くかなんて分かりきった事だよ」
「そう。なら初めから許可してあげればよかったのに」
「識りたかったのだよ。彼女の根本に何が在るのか」
「ふーん」
「………異能力開発実験、ねえ。道理であんな子供らしからぬ子供だった訳だ」
森は、ふうと息を吐いて呟いた。