第12章 居場所
真剣に、黙って話を聞いてくれる中也にアリスは続ける。
「この間買い物に行ったときにね、幸せそうな家族と出逢ったんだよ」
「……。」
珍しい、と中也は思った。
大人嫌いのアリスが大人を褒めることなど滅多にないからだ。
「色々あって、異能力を使って子供達を助けなきゃいけない場面があったんだけど……」
「?」
アリスの声のトーンが下がり、弱まる。
「多分、その時出会った女の子が、私と勘違いされて拐かされちゃったんだ……」
「!」
原因が判った瞬間だった。
「それが唯一死体で見つかった7番目の女の子……多分、私が車を止めてあげたから銃弾も止められると勘違いされて……」
「……そうか」
前を向いたまま、アリスの頭を撫でてやる中也。
「拐かした犯人に目星は」
「恐らくその時の運転手だよ」
「……成程な。それなら説明がつくわけだ」
「うん…。あのエリアは政治家⊿⊿の考案したモデルタウン……奴の息のかかった連中が住んでても可笑しくないし、その方が色々と改竄しやすい」
「⊿⊿も絡んでやがるのか」
「それだけじゃない。議員の▲▼を始め、軍警も絡んでる」
「軍警もだと?」
中也が眉間に皺を寄せる。
「私昨日、中也がお仕事してる間に、●○と○●って組織を派手めに毀してきたんだけどね」
「はァ!?単身で行ったのかよ!」
「え、そっち?」
怒られるベクトルが、自分の思ってたものと違って思わずアリスはツッコミを入れる。
「○●と●○といや、異能力者が仕切るそこそこでかい組織だろーが!独りで行くなんて無茶しやがって!」
少々乱暴に頭を撫でる中也に、あぅ、と小さな声を漏らす。怒られるとは思っていたため、大人しくされるがままだ。
暫くして、落ち着いたのか。中也が手を動かすのをやめたと同時に話をもとに戻した。
「恐らく人攫いに加担しているのはこの2つの組織、と○✕なんだけどね。こんなに人攫いの話題で世間はもちきりなのに話が一切でないとなると」
「情報統制か圧力掛けてんのか。それが軍警っつー事だな?」
「うん」
アリスは頷いた。
「○✕の裏は取れてンのか?」
「⊿⊿から多額のお金を数回受け取っていたから間違いないよ」
「そうか」
そうこう話しているうちにポートマフィアの本部に辿り着いた。