第11章 誕生日プレゼント
はぁ、はぁと肩で息をするアリス。
熱いからと中也の前で堂々と服を脱ぎ始め、
普段理由なく抱きついたりしないのに、べったり中也に抱き着き、
口移しで水を飲ませてもらった挙げ句、もっと欲しい等と宣って口移し…とは名ばかりの接吻をお強請りしたこたと。
此等の事が一瞬にして、アリスの脳内に駆け巡った。
ーーー昨日の自分の失態を思い出したのだ。
アリスの白い肌を、羞恥心で真っ赤に染め上げる。
「私っ……!」
「思い出したみたいだなァ、おい」
「!?」
そう云うと中也がアリスをソファに押し倒し、組み敷く。
アリスの赤みは最高値まで達した。
「ちっ、ちっ…中也兄ぃ……そのっ、…御免なっ……!」
最後まで紡がれない謝罪の言葉。
中也が再び口を塞いだのだ。
静かな部屋に響き渡る、粘着質のある水音。それがアリスの恥ずかしさを更に掻き立てる。
満足したのか。口を離す中也。
「…ちゅやにぃ……」
「あんまり煽んなアリス」
「ふぇ…?」
優しい手付きで髪を撫でて、頬に手を添える中也に間の抜けた返事をするアリス。
「善いか、アリス。金輪際、俺が居ないところで酒は飲むな」
「お酒……?」
ここに来て漸くアリスは昨日自分が飲んだ飲み物がお酒だという事を知った。
「返事は」
「はいっ…だからっ、その、徐々に顔を近づけてくるのをっ……!」
「……。」
中也はあわあわしているアリスに小さく息を吐く。
「今回は此れで仕舞いにするが、次はねえぞ」
「へ…?」
アリスの上から退ける中也。
「手前にその気があろうと無かろうと、記憶が飛ぼうが飛びまいが、次は絶対に襲う。俺が居ないところで酒なんて飲んでみろ。泣き喚いても手酷く手前のこと犯す」
「絶対にお酒は飲みませんっ!」
アリスは素早くソファの上に正座して、頭を下げ、誓った。
その頭をポンと優しく叩く中也。
「シャワー浴びてくるから、手前も着替えとけ」
「……はい」
中也が去っていってから顔を上げるアリス。
シン、とした部屋の中でアリスは唇にそっと手を当てた。
未知の行為に戸惑いはしたが、全く嫌では無かったことを思い出して、アリスは再び真っ赤になったのだった。