第11章 誕生日プレゼント
アリスはパチッと目を開けて、天井を眺めた。
見覚えのない天井に、見覚えのない寝台。
慌てて身体を起こす。
「え……。」
寝台の横に掛けられた洋服を見て、慌てて自身の格好に目をやった。
少し大きい黒のパーカーを着ている。
アリスにとって大きいパーカーは膝上まであり、ワンピースのようにも見えた。
その服から僅かに香る匂いに、アリスは覚えがあった。
寝台から抜け出し、テクテクと扉の方へ向かう。
扉を音のしないようにあけて、確認すると広がっているのは、これまた見覚えのない落ち着きのあるリビング。
そこに居た、唯一見覚えのあるものの側にソロリと寄った。
ソファで横になっている人物。
腕で顔を隠しているため、表情は見えない。
「……おはようございます、中也兄」
「……。」
既に気配に気づいていたのであろう中也は、無言で身体を起こした。
少しの間、沈黙が流れる。
「身体は大丈夫かよ」
「え?身体…?」
「頭痛とかしてねえか」
「うん。大丈夫」
「……そうか」
目を合わさずに話し掛ける中也に、アリスは困惑している。
その困惑に気付いてはいるが、顔を逸らしたまま中也は続けた。
「昨日の事、覚えているか?」
「……昨日……えっと……」
中也の言葉に、アリスは考える。
「紅葉姐がくれた桃ジュースを飲んだあたりまではハッキリと覚えてるけど…段々、身体が熱くなってきて……それから……」
それから……、と呟きながから考えるアリス。
ハッキリと思い出せない。徐々に何かとんでもないことをしてしまった気がしてきたアリスは、恐る恐る中也に聞くことにした。
「私、なにをしちゃったかな……?」
「………ハァ。憶えてねえのかよ」
「何となく覚えてるよ…なんか熱かったり……気持ちが良かったような…」
そういった瞬間だった。
中也が腕を引き、アリスを引き寄せると
「んぅ!?」
強引に口付けた。
驚いたアリスがパタパタと小さな抵抗をみせるが、中也は止めない。それどころか、自分の舌をアリスの口の中に挿れる。時折、ビクッと震えながら大人しくされるがままのアリス。
抵抗をやめ、自身に身を委ねてきたところで、中也は漸くアリスを解放した。