第11章 誕生日プレゼント
「豪華な飾り付けだね」
「中也の二十歳の誕生日じゃ。盛大に祝わんとな」
ホホホ、と笑う紅葉。
そうして、時間が過ぎ、パーティが始まった。
首領と紅葉、黒蜥蜴のメンバーと中也の部下と紅葉の部下の一部が参加している。
「有難うございます」
首領から順に挨拶回りをしている中也を見ながら、アリスは提供されている食事を取っていた。
「中也兄の誕生日会、毎回だけど今年は特に規模が大きいね」
「参加希望者は後をたたないから、此れでも下っ端は抽選らしいぜ。まぁ、首領の御前でもあるし人選は限られているらしいがな」
「ほぇー流石、中也兄」
黒蜥蜴の立原道造がアリスの隣で一緒に食事を取りながら話す。
そんな会話を2人でしていると、挨拶回りも終わったのか。
中也がアリスの元に来た。
「何話してンだァ?」
「兄貴!誕生日おめでとうございます!」
プレゼントを渡しながらそう云う立原。それを礼を云いながら受け取るとアリスに視線を移す。
「中也兄が如何に人望があるかって話を聞いてたよ」
「……本当にそれだけか?」
「え?うん」
チラリ、と中也が立原に視線を寄越す。その目を見て、小さく肩を上げる立原。
中也の質問の意図が読み取れずに首を傾げたアリスだったが、今しかないかもしれないタイミングだ。
はい、これ。とアリスもプレゼントを渡した。
「おう。有難うなアリス」
頭を撫でる中也。
その顔を見て、立原はススス……と静かにその場を去った。
立原は酒を嗜んでいた広津の元へ向かって、ハァ、と深く息を吐いた。
「如何した?立原」
「俺、兄貴に嫌われたかも」
「は?」
2人でしていた会話内容を探り、アリスだけに向ける表情を見、自分に向けられた鋭い視線ーーー立原は、中也の先程の質問の意図を正しく理解できているようであった。
「兄貴、独占欲強そうだしな…」
「何か判らんが宴だ。暗い顔をするもんじゃない」
「ああ…有難うよジーサン」
立原も酒を飲むことで、今し方の出来事を忘れることにしたのだった。