第11章 誕生日プレゼント
「今年はプレゼント何にしよう」
あれから2年。
アリスは一昨年の、初めての誕生祭を思い出しながら百貨店をウロウロしていた。
「よく考えたら中也兄の好きなものってよく判んないや」
バイクとお酒は好きなイメージだが、他のものが思い浮かばないのだ。
「お酒にしようかな」
そう云うとお酒売り場に移動するのであった。
ずらりと並んだお酒に、アリスはまたもや頭を悩ませた。
「駄目だ。全然分からない」
数多くある種類、数多くある銘柄を見てアリスは軽く絶望すらした。
じーっと酒瓶を見つめていると男性スタッフが声を掛けてきた。
「何かお探しでしょうか」
「あ、いえ。プレゼントにと思ったけど好みがわからないから出直します」
アリスはにっこり笑って云うと、男性の胸辺りに目がいった。
小さいのに輝いているタイピン。
「そっか。偶にスーツも着てた」
「?」
ポソリと呟くと、アリスはお酒売り場を後にするのであった。
次にやってきたのはスーツ等のフォーマルな服を扱う専門店だった。
アリスはキョロキョロしながら目的の物を探した。
「あ、あった!」
見付けたのはネクタイに使用するタイピンとカフスのセット。
その中から中也に合いそうなものを選ぶ。
「中也兄は貴金属にこだわり有りそうだけど」
購入する前にはた、と考えるアリスだったが、それ以上のものが浮かばなかったアリスは結局、それを購入した。
そうしてデパートを後にしたところ、タイミング良くアリスの通信端末に着信の知らせが届く。
「もしもし?」
『アリスかえ?今何方におる』
「紅葉姐!うーんとね、◎◎デパートの近くだよ」
『今から●●の洋菓子屋に来れるかえ?』
「行けるよ!一寸待っててねー」
そう云うと、アリスは電話を切り、指定された洋菓子店に向かうのであった。
紅葉と合流したアリスは、その後、パーティに必要なものの買い出しを紅葉と共に行い、ポートマフィアの本部へ移動した。
パーティ会場は既に飾り付けが済まされている。
一生懸命に飾り付けをしていたのは紅葉の部隊に配属されたばかりという新人4人だった。
「ご苦労じゃったな」
労いの言葉と手土産の菓子を渡すと4人はその場を去っていった。